続いては、基礎工事です。写真は、基礎に必要な鉄筋を配筋しているところです。基礎には、鉄筋コンクリートを使います。その名の通り、コンクリートの中に鉄筋を入れた構造です。鉄筋とコンクリートは、とても相性がよく、まるでおしどり夫婦。コンクリートは、圧縮力にはとても優れていますが、引張り力にはとても弱い。そこで引張り力に優れた鉄筋が、その弱点を補います。しかし、鉄筋は酸化すると錆びてもろいため、アルカリ性のコンクリートが優しく包み込みます。しかし、それだけではありません。非常にきびしい四季の温度変化にも、ひび割れずに一体でいられるのは、熱変化による膨張の度合いを示す線膨張係数がほぼ同じためです。(鉄筋とコンクリートの線膨張係数は 1×10-5/℃。アルミはその2倍。ステンレスはその1/10。)神が与えた、奇跡とでも言うべき偶然です。現代建築を大きく飛躍させた鉄筋コンクリート造は、この奇跡なくしてはあり得ませんでした。